サムネ図鑑

ゲーム実況サムネイルの著作権とガイドラインの読み方

公開 2026-09-29

目次

サムネイルにゲーム画面を使っていいのか。公式のロゴやキービジュアルを貼っていいのか。この答えは、著作権法の一般論からは出てきません。ゲーム会社が出しているガイドラインに何が書いてあるかで決まります。

ややこしいのは、会社ごとに書いてあることが違うところです。「公式サイトの画像をサムネイルに使ってよい」と明記している会社もあれば、サムネイルに一言も触れていない会社もあります。

実際の文面を読み比べて、サムネイルを作るときに関わる部分を並べました。

この記事は各社が公開している文面を整理したもので、法的な助言ではありません。最終的な判断は、作るタイトルのガイドラインを直接読んで行ってください。

前提として、ガイドラインは会社ごとに違う

まず押さえておきたいのは、共通のルールが存在しないことです。同じ「ゲーム実況のサムネイル」でも、扱うタイトルの会社が変われば条件が変わります。

さらに、同じ会社の中でもタイトル個別のガイドラインが優先されると書いている会社があります。バンダイナムコエンターテインメントのゲーム実況ポリシーには「タイトル個別にゲーム実況ポリシー等を設けている場合があります。その場合当該個別ポリシー等がこのポリシーより優先されます」とあり、カプコンも「タイトル個別でガイドラインを設ける場合があり、その場合はタイトルのサイトに別途ガイドラインを掲載します」としています。

ですから確認の順番は、会社のガイドライン、次にそのタイトルのページ、になります。

サムネイルを名指しで規定している会社がある

セガ

セガの「ゲームプレイ映像利用に関するガイドライン」は、サムネイルに触れています。

お客様がプレイ動画等やサムネイルを作成される際に、当社の各タイトルの公式ホームページやセガ製品情報サイトに掲載されている画像もご利用いただけます

公式サイトの画像をサムネイルに使ってよい、とはっきり書いてあります。ただし条件が付いていて、その画像に実在の出演者の肖像や、制作者など個人の肖像、セガ以外の第三者が持つ知的財産が含まれる場合は使えません。声優が写っている宣材や、コラボ相手のキャラクターが入ったビジュアルは外れる、ということになります。

もう一つ、サムネイルに直接効く記述があります。

第三者の権利を侵害することやゲームの内容を正しく把握することを妨げる過度な編集や加工は禁止

「中身と違うサムネイル」がここに当たりうる、という読み方ができます。

カプコン

カプコンの「カプコン動画ガイドライン(個人向け)」のFAQには、サムネイルを名指しした一文があります。

誰の目にでも触れてしまうサムネイル等に、年齢制限にそぐわない場面を使用することも避けてください。

年齢制限のあるタイトルの動画自体は投稿できますが、サムネイルは動画を開かない人の目にも入るので扱いが別だ、という考え方です。ホラーやバイオハザードのように残酷な場面があるタイトルでは、ここが具体的に効いてきます。

カプコンにはもう二つ、サムネイルに関わる記述があります。

  • 「感想や意見などを付けずに、動画やスクリーンショットのみ掲載したもの」は投稿できません
  • 「カプコン公式」「カプコン公認」の表記は、カプコンが記載を依頼した場合のみ使えます

フロム・ソフトウェア

フロム・ソフトウェアの「動画配信・画像投稿に関するガイドライン」は、投稿できる著作物としてキービジュアルとスクリーンショットを挙げています。キーアートを下地に使う形が、文面のうえで認められていることになります。

ただし、フロム・ソフトウェアが動画共有サイトに投稿した動画からの切り出し画像は使えません。公式が出したトレーラーから一場面を抜いてサムネイルにする、という作り方は外れます。

サムネイルに触れていない会社もある

任天堂

任天堂の「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」は、対象を「動画や静止画」としていて、サムネイル固有の記述はありません。

中心にあるのは、投稿にお客様自身の創作性やコメントが含まれていることという条件です。「ゲームの音楽やムービーシーン、イラスト集等をコピーしただけの投稿」は認められていません。

収益化については指定されたシステムに限られていて、YouTubeパートナープログラム、ニコニコ動画のクリエイター奨励プログラム、Twitchのアフィリエイトとパートナープログラムなどが列挙されています。

バンダイナムコエンターテインメント

「ゲーム実況ポリシー」では、スクリーンショットやプレイ動画の切り抜きをインターネット上で共有することがゲーム実況に含まれると定義されています。サムネイルへの直接の言及はありません。

収益化はプラットフォームの公式機能によるものが認められる一方、「営利を目的としたゲーム実況は行わないでください」とあり、法人による実況は別扱いになっています。

実際に使われているもの

このサイトでは、実際のゲーム実況サムネイルを100件書き起こしています。公式の素材がどれだけ使われているかを数えました。

使っているもの 件数
公式ロゴを貼る 34件
公式キーアートを下地にする 9件

3枚に1枚は公式ロゴが入っています。文字を書かずにゲーム名を伝える手として定着していて、YouTubeサムネイルに統一感を出す方法で書いたとおり、連載では位置を固定する部品にもなっています。

ふしぎな世界を大冒険!?マリオ達の新たな旅が始まる!!マリオワンダー最速実況Part1【スーパーマリオブラザーズ ワンダー】 のサムネイルふしぎな世界を大冒険!?マリオ達の新たな旅が始まる!!マリオワンダー最速実況Part1【スーパーマリオブラザーズ ワンダー】mkのゲーム実況chこの事例を見る →

mkのゲーム実況chさんのマリオワンダーは、公式のキーアートをそのまま下地にして、上に自分の煽り文を重ねています。キーアートを使う9件のうち5件は任天堂のタイトルでした。

数としては珍しくない作りですが、任天堂のガイドラインにはキーアートをサムネイルに使ってよいという明文はありません。「コピーしただけの投稿」を禁じる条項があるだけで、動画に創作性があるときにそのサムネイルがどう扱われるかまでは書かれていません。実例が多いことと、明文で認められていることは別の話です。判断は自分で行う必要があります。

サムネイル特有の論点は三つ

ガイドラインを読み比べると、サムネイルで引っかかりやすいのは三つに絞れます。

年齢制限にそぐわない場面。 サムネイルは動画を開かない人にも表示されます。カプコンが名指しで避けるよう書いているのはここです。ホラーの事例を見ても、血や損壊をそのまま出しているものはほとんどありません。

中身と違うサムネイル。 セガの「ゲームの内容を正しく把握することを妨げる過度な編集や加工」に当たりうる部分です。誇張した文言そのものが禁止されているわけではありませんが、絵を作り変えて別の動画に見せる形は外れる可能性があります。このサイトで主張の根拠を画面に置く手を集めているのは、見せ方として強いからですが、結果的に中身と揃えることにもなります。

第三者の権利。 ゲーム会社のガイドラインが及ぶのは、その会社が持っている権利までです。ゲーム内で流れる楽曲、コラボ相手のキャラクター、実在の出演者の写真は別の人が権利を持っています。セガもカプコンも、第三者が持つコンテンツについては権利者に確認するよう書いています。

確認する順番

  1. そのタイトルの個別ガイドラインを見る。あればこれが最優先
  2. 会社のガイドラインを見る。公式素材を使ってよいか、収益化の条件はどうか
  3. 第三者の権利が混ざっていないか見る。楽曲、コラボ、実在の人物
  4. 年齢制限のある場面を使っていないか見る

作る前に一度読んでおけば、後から差し替えることにはなりません。ガイドラインは改定されるので、久しぶりのタイトルなら日付も見ておくと安全です。

参照した文面

いずれも2026年9月29日に確認したものです。

  • 任天堂「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」
  • カプコン「カプコン動画ガイドライン(個人向け)」最終更新日2025年12月1日
  • セガ「ゲームプレイ映像利用に関するガイドライン」
  • フロム・ソフトウェア「動画配信・画像投稿に関するガイドライン」
  • バンダイナムコエンターテインメント「ゲーム実況ポリシー」

仕様のほうの決まりごとはYouTubeサムネイルのサイズと解像度をどう決めるかとYouTubeのサムネイルをURLで取得して高画質で保存するにまとめました。中身の作り方はゲーム実況サムネイルの作り方を実例100件から組み立てるにあります。

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